米財政の赤字とアフリカの安全保障

白戸圭一
執筆者:白戸圭一 2012年11月30日
エリア: 北米 アフリカ

  米国では来年初めに減税措置の失効と歳出削減が重なる。増税による消費減と緊縮財政が一度に到来し、米国の景気が急激に冷え込むいわゆる「財政の崖」問題だ。これを避けるには、民主・共和両党が税制改革や支出カットで合意する必要がある。米国経済が後退局面に入れば、米国向け輸出の減少で世界経済全体が冷え込む。資源輸出の減少などを通じてサハラ以南アフリカの経済にも影響が及ぶかもしれない。

 米国の緊縮財政が世界に与える影響は経済分野にとどまらない。ここでは米国の国防費削減がアフリカの安全保障環境に与えるかもしれない影響について素描しておきたい。米国が唯一の超大国として全世界の安全保障に関与する政策を続けてきた以上、世界の全ての国は米国と友好関係にあるか敵対関係にあるかに関係なく、米国の国防態勢の変化と無縁ではいられないからである。

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執筆者プロフィール
白戸圭一 立命館大学国際関係学部教授。1970年生れ。立命館大学大学院国際関係研究科修士課程修了。毎日新聞社の外信部、政治部、ヨハネスブルク支局、北米総局(ワシントン)などで勤務した後、三井物産戦略研究所を経て2018年4月より現職。著書に『ルポ 資源大陸アフリカ』(東洋経済新報社、日本ジャーナリスト会議賞受賞)、『日本人のためのアフリカ入門』(ちくま新書)、『ボコ・ハラム イスラーム国を超えた「史上最悪」のテロ組織』(新潮社)など。京都大学アフリカ地域研究資料センター特任教授、三井物産戦略研究所客員研究員を兼任。
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