宗教右派の“原点”メイチェンという知の巨人

会田弘継
執筆者:会田弘継 2005年9月号
カテゴリ: 国際 文化・歴史
エリア: 北米

 二〇〇四年のブッシュ大統領再選の原動力は、宗教票だったとされる。アメリカには福音派(エバンジェリカル)と呼ばれる熱心なキリスト教信者(プロテスタント)が推定八千万人もいる。多くがブッシュ大統領を支持している。 なかでも信仰上の主張を攻撃的に行なう人たちを、キリスト教原理主義者(ファンダメンタリスト)と呼ぶ。 ブッシュ政権を支えているのは、ネオコン(新保守主義者)と宗教右派だともいう。宗教右派とは福音派・原理主義者の別称だ。宗教保守とも呼ばれる。日本の共産党にたとえれば、ネオコンが前衛の思想・政治指導部で、宗教右派は手足となって動く大衆党員、というイメージだ。 それがいま、世界のジャーナリストや知識人らが描いてみせているブッシュ政権の構図である。トップに立つブッシュ大統領自身、福音派を自認する。そこに暗示されているのは、政策知識人集団としてのネオコンと、彼らに操られる(大統領も含めた)無知蒙昧な熱狂的キリスト教信者という図式だ。 二期目ブッシュ政権では、泥沼化したイラク戦争の責任をとらされ、ネオコンの代表格のウォルフォウィッツ前国防副長官らは体よく政権中枢から追われた。しかし依然、民主化の世界的推進などネオコン的思想は、政権を突き動かしている。

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執筆者プロフィール
会田弘継
会田弘継 青山学院大学地球社会共生学部教授、共同通信客員論説委員。1951年生れ。東京外国語大学英米科卒。共同通信ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長などを歴任。2015年4月より現職。著書に本誌連載をまとめた『追跡・アメリカの思想家たち』(新潮選書)、『戦争を始めるのは誰か』(講談社現代新書)、訳書にフランシス・フクヤマ『アメリカの終わり』(講談社)などがある。
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