エルドアン首相が率いるトルコの岐路

執筆者:安東建 2006年6月号
カテゴリ: 国際 金融
エリア: ヨーロッパ 中東

世俗主義を国是としながらも、与党AKPはイスラム系。複雑な国家の行方は、この人物にかかっている。[イスタンブール発]国民の九九%がイスラム教徒のトルコが、昨年十月、欧州連合(EU)加盟交渉開始にこぎつけた。最終的な加盟の保証はなく、交渉の結果が出るのに十年はかかるというのに、長年の悲願達成で国内はサッカーのワールドカップで優勝したようなお祭りムードだった。その立役者が、レジェプ・タイップ・エルドアン首相だ。 イスラム系政党としてトルコ史上初の単独政権を握る公正発展党(AKP)の創設者にして党首。二〇〇三年三月の首相就任以来、EU側から突きつけられた刑法改正など内政上の難題を矢継ぎ早に解決し、欧州の一員となるべく熱意を傾けてきた。世俗国家トルコを率いるイスラム系政党党首エルドアン氏とはどんな人物なのか。その足跡をたどると、世俗主義とイスラムの間で揺れるトルコのあり方が見えてくる。

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