国際論壇レビュー
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逆転しつつある「オバマ」と「ブッシュ」の評価

会田弘継
執筆者:会田弘継 2014年9月26日
 再度の評価逆転はあるか?(C)AFP=時事
再度の評価逆転はあるか?(C)AFP=時事

 政治指導者の評価は、相当な時を経ないと定まらないのだろう――。オバマ米大統領は9.11テロから13年目の日を前にした演説で「イスラム国」打倒を国民に誓い【Statement by the President on ISIL, The White House, Sept. 10】、ついにシリア国内への空爆作戦に踏み切った。先月の当レビューでも述べた通り、イラク国内から始まったこの軍事再介入が簡単に終わると思っている専門家はいない。地上軍投入もささやかれ出した。

 

大統領職失格者

 有力な米外交専門誌『フォーリン・ポリシー』最新号は、ここに至るまでの約2年のオバマ大統領のジグザグコースをたどる特集記事を載せた。その2年をブッシュ前大統領の任期最後の2年と比べ、これまでの2人の評価を逆転させている。記事は、同誌の主筆で最高経営責任者(CEO)デビッド・ロスコフが来月出版する本からの引用だ。【National Insecurity, Foreign Policy, Sept./Oct.

 そこに描かれるオバマは、シリアの毒ガス使用について、記者団との懇談で不用意に「越えてはならない一線」(red line)を口走り、いざその「一線」がアサド政権に乗り越えられてしまうと、1人では対シリア軍事行動に走れず、キャメロン英首相の同道に頼る。キャメロンが英議会に肘鉄を食らわされ開戦への参加は不可能と分かると、今度は米議会に開戦決断の下駄を預けるが、議会とろくにコミュニケーションも図れない。明らかに大統領職失格者だ。

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執筆者プロフィール
会田弘継
会田弘継 青山学院大学地球社会共生学部教授、共同通信客員論説委員。1951年生れ。東京外国語大学英米科卒。共同通信ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長などを歴任。2015年4月より現職。著書に本誌連載をまとめた『追跡・アメリカの思想家たち』(新潮選書)、『戦争を始めるのは誰か』(講談社現代新書)、訳書にフランシス・フクヤマ『アメリカの終わり』(講談社)などがある。
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