技術不安・人材不足のまま海外に走るゼネコン

執筆者:杜耕次 2008年2月号
カテゴリ: 経済・ビジネス

国内外で頻発する事故や施工ミス。「技術は世界一」の金看板を掲げてきたゼネコンが、「現場の荒廃」という危機に襲われている。 日本のスーパーゼネコンが新種の病に蝕まれている。「脱談合」シフトが強力な価格競争力や技術提案力を持つ大手に一段のシェア拡大をもたらして国内建設市場では寡占化が進んでいるが、一方でかねて懸念されていた人材・人員不足が顕在化。その歪みともいえる事故や施工ミスがここに来て頻発している。談合体質を非難されても、「それでも施工技術は世界一」と口を拭ってきた業界。皮肉なことに、談合体質改善の兆しが見えた途端、その金看板だった技術神話が揺らぎ始めている。 ベトナム南部ホーチミン市(旧サイゴン市)の南西百五十キロにある村ミーホア。昨年九月二十六日午前八時ごろ、この村で建設中の巨大な複合斜張橋「カントー橋」(全長二千七百五十メートル)の橋桁が約八十メートルにわたって崩落、ベトナム人の作業員五十四人が死亡した。 国際協力銀行(JBIC)が二百四十八億円余を限度に融資する日本の政府開発援助(ODA)プロジェクトであり、施工は大成建設を幹事に鹿島、新日鉄エンジニアリングが加わる三社JV(共同企業体)、さらに日本工営、長大という東証上場の建設コンサルタント二社が施工管理会社として名を連ねる「典型的な『ひもつき』援助事業」である。

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