三井住友銀行は「負の遺産」を一掃できるか

執筆者:喜文康隆 2001年4月号
カテゴリ: 経済・ビジネス 金融

 経営者は新しい何かを生みだすために合併を決断する。しかし、何かを忘れるためにも合併を決断する。 四月一日に『三井住友銀行』として発足した総資産百兆円のメガバンクの誕生とその行方は、傷ついた日本の金融システムの将来を占ううえで重要な意味をもつ。 西川善文新頭取はテレビに登場して日本の金融システムの安全性を強調する一方で、新会社の行員に対しては「春爛漫とは異なり、寒風吹きすさぶ荒波に向けて船出をするような気持ちだ」と檄を飛ばす。昭和四十年証券不況当時の中山素平日本興業銀行頭取に比すべき、とまでは言えぬが、西川氏は荒涼たる日本の金融界の中では群を抜くリーダーではある。

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