【キーパーソン】孫正義 最後の賭けに出た「インターネット財閥」の主

執筆者:杜耕次 2002年1月号

 ソフトバンク社長、孫正義のビジネスライクは、さながらジェットコースターを思わせる。ほんの二年前までは、触るものすべてが黄金に変わったギリシア神話のミダス王のように、投資先のインターネット銘柄がことごとく急騰。その勢いで市場(ナスダック・ジャパン)と金融(あおぞら銀行=旧日本債券信用銀行)の機能までも手中にして、盤石の“錬金術”を確立したかと思いきや、ネットバブルの崩壊であっという間に危機が囁かれる状況に陥ってしまった。 日本ソフトバンク(ソフトバンクの前身)創業二年目に肝炎を患って死線を彷徨ったことや、九七年に告発本で個人資産管理会社の不明朗な会計処理を暴露されて信用不安にまで発展したことなど、これまでにも孫は何度か大きなピンチに遭遇している。特に九七年には資金繰りの悪化によって怪情報が乱れ飛ぶ事態になったが、そこから神風のようなネット株ブームが起こり、孫は窮地を救われた。いま再び、ソフトバンクに神風は吹くのか。孫の近況から探ってみたい。戦略ビジネスが株価を下げる「革新的な物事というのは、理解されるまでに時間がかかるものだ」 暮れも押し迫った昨年十二月十八日、孫は会見で記者の質問をこんな具合に懸命に押し返していた。

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