テレビゲームにハマった果てに

成毛眞
執筆者:成毛眞 2002年7月号
カテゴリ: 文化・歴史

 ここ十年のあいだで、テレビゲームにハマって会社を都合一カ月は休んだ。テレビゲームといっても格闘ゲームやレーシングゲームではない。それではいくらなんでも子供じみているというものだ。ハマっているのはRPGというタイプのもの。ロール・プレイング・ゲームの略で、そのひとつである「ドラクエ」という言葉を記憶している方も多いだろう。プレーヤーが主人公を操り、神話やメルヘンの世界を冒険するというものだ。 ゲームを一回終わらせるのには五十時間から百時間。主人公が生まれた町を離れ、次々にモンスターを倒しながら強く成長し、最後にラスト・ボスという悪の権化を倒すのにかかる時間だ。文字通り一日中戦っていても全体の四分の一も進まない。そこで、最低三日間は会社を休むことになる。 自分でも「なんてアホらしい」「四十になってまでやることか」「歳とってきて目が疲れやすくなった」「手が震える、喉が渇く」などとつぶやきながら、パジャマ姿のままでテレビに向かっていた。ところが、ここ数年はラストまでは遊ばない。さすがに恥ずかしくなったのと、もっと面白いRPGが見つかったからだ。 そのRPGとは、RPGを作っている会社の役員になることだ。ファイナルファンタジー・シリーズが僕のお気に入りだったこともあって、その制作会社であるスクウェアの社外取締役を一昨年に引き受けた。もちろん、新作を無償でいち早くいただけるという下心もあるのだが、会社経営自体も十分RPGの要素がある。

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執筆者プロフィール
成毛眞
成毛眞 中央大学卒業後、自動車部品メーカー、株式会社アスキーなどを経て、1986年マイクロソフト株式会社に入社。1991(平成3)年、同社代表取締役社長に就任。2000年に退社後、投資コンサルティング会社「インスパイア」を設立。さまざまなベンチャー企業の取締役・顧問、早稲田大学客員教授ほか、「おすすめ本」を紹介する「HONZ」代表を務める。著書に『本は10冊同時に読め!』『日本人の9割に英語はいらない』『就活に「日経」はいらない』『大人げない大人になれ!』『ビル・ゲイツとやり合うために仕方なく英語を練習しました。 成毛式「割り切り&手抜き」勉強法』など(写真©岡倉禎志)。
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