インテリジェンス・ナウ
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情報工作の“エース”ジョン・レンドンの再登板

春名幹男
執筆者:春名幹男 2002年8月号
カテゴリ: 国際
エリア: 中東 北米

 米通商代表部の広報は楽ではない。わずか約二百人の小官庁で、交渉相手国はアジアから欧州まで。国内政治をにらみ、交渉相手との駆け引きも考えながらブリーフィングする。 トリー・クラーク氏。ブッシュ(父)政権時代の一九八九―九二年、三十代でカーラ・ヒルズ通商代表のスポークスマンを務めた。当初しつこい日本人記者に手を焼いたが、その後慣れて記者団をうまく利用したのが印象的だった。 民主党政権時代は野に下り、大手PR会社ヒル・アンド・ノウルトンのワシントン事務所総支配人などを務めて自信をつけ、今はペンタゴンでラムズフェルド国防長官の広報担当次官補。「対テロ戦争のスピンドクター」を自任している。 だが、最近、ブッシュ政権内で情報工作をめぐり右派イデオローグたちと対立する局面が目立つ。 表面化したのは、「虚偽情報を流す機関」として物議を醸し、結局は廃止となった「戦略的情報局」の新設をめぐる対立だ。同局の設立は保守系週刊誌『インサイト』がすっぱ抜き、ニューヨーク・タイムズ紙が厳しく批判的に報道。結局世論の反発に抗しきれず、大統領の決断でご破算となった。実は、同紙に「リークしたのはクラーク次官補というのは公然の秘密」(ニュー・リパブリック誌)だ。

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執筆者プロフィール
春名幹男
春名幹男 1946年京都市生れ。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒業。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授を経て、現在、早稲田大学客員教授。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『スパイはなんでも知っている』(新潮社)などがある。
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