拉致問題も話し合われた中・朝トップ会談の中身

執筆者:藤田洋毅 2004年6月号
カテゴリ: 国際

 北朝鮮の金正日総書記が訪中した。中国側の要人との会談内容は、ほとんど明らかになっていないが、複数の中国筋によれば、多岐にわたるテーマが話し合われた。日本人拉致問題に関してもやりとりがあったという。「六カ国協議(の順調な進展)に影響しかねない」と中国側がやんわり持ちかけたのに対し、金総書記は「必ず帰国させます」と答え、日朝協議の行方を睨みながら、最も有利なタイミングを測って拉致被害者の家族を帰国させる、との考えを伝えた。「これまでにない手応えがあった。中国側の働きかけが、ようやく実を結び始めた」と複数の中国筋は認めている。 北朝鮮に前言撤回はつきもので、こうした発言が必ず現実化するとは限らないが、中国側が手応えを掴んだのはたしかだ。むろん、それは拉致問題だけではない。中国にとって最大の成果は、「東北地区の振興と北の改革の歩調を合わせる方向で、基本的に一致したことだ」と中国筋はいう。 胡錦濤総書記、温家宝首相ら中国首脳は、古い国有企業が多く改革の焦点となっている中国・東北地区の振興と、隣接する北朝鮮の改革を連動させ、地域一帯で経済建設を推進しようと提案。金総書記から「中国のご好意に感謝し、提案を真剣に考えます。引き続き具体的に話し合いましょう」との答えを引き出した。中国の改革を修正主義とののしり反発していた北が示した柔軟姿勢を、中国指導部は歓迎しているのだという。

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