日銀と政府が一体化してのデフレ対処だったが、格差が開きジリ貧の未来しか見えないなら、民意は一か八かの賭けに出かねない――そんな前半の流れを受け、後半では中央銀行が目指すべき新たな役割へと話は及ぶ。
萱野 『中央銀行が終わる日』の最後で岩村先生は「中央銀行に最後に残された役割は価値尺度の提供だ」というお話をされています。例えばいろんな銀行が貨幣利子率のついているような貨幣を出して、そこが競争していく。それに対して最終的に社会の価値尺度を提供するのは中央銀行の役目で、そこの部分はたぶんなくならないだろう、と。
要するに『中央銀行が終わる日』と言いつつ、実は終わらない。ビットコインのような可能性を最大限拡大して考えたとしても、中央銀行の役割は実は終わらないと私は読んだ。
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