国際論壇レビュー
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「トランプ現象」の本質(下)政治の争点は「社会階層」問題に

会田弘継
執筆者:会田弘継 2016年9月7日
エリア: 北米
ニクソンの「南部戦略」は政治の焦点を劇的に転換させたが……(C)AFP=時事

 

「トランプ現象(Trumpism)」をめぐって思想闘争が起きている。その焦点の1つがPC(「政治的正しさ」)をめぐる闘いだ。人種あるいはジェンダーなど集団ごとに権利(歴史的権利の回復も含む)を主張するアイデンティティ・ポリティクスが自由を核とするアメリカの「理念」とどう折り合いをつけるのか、答えは容易に見つかりそうもない。

 もう1つの焦点である「ナショナルなもの」と「グローバルなもの」の折り合いをめぐっても、答えのない論争が続く。アメリカが主導してきたグローバル経済は中国やインドの興隆を促し、世界経済全体を見れば億単位で新たに中産階級が生まれた。しかし、その成果の裏で、アメリカをはじめ先進各国では中産階級が没落し疲弊して、ついに反乱を起こしている。

 

グローバル経済エリートの発想

 前回紹介した思想集団、西海岸シュトラウス派によるオンライン保守論壇『ジャーナル・オブ・アメリカン・グレートネス(JAG)』で繰り広げられたトランプ現象肯定論を、もう少し見てみよう。

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執筆者プロフィール
会田弘継
会田弘継 青山学院大学地球社会共生学部教授、共同通信客員論説委員。1951年生れ。東京外国語大学英米科卒。共同通信ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長などを歴任。2015年4月より現職。著書に本誌連載をまとめた『追跡・アメリカの思想家たち』(新潮選書)、『戦争を始めるのは誰か』(講談社現代新書)、訳書にフランシス・フクヤマ『アメリカの終わり』(講談社)などがある。
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