自己破産「増加」で点灯し始めた「銀行カードローン」の黄信号

千葉明
執筆者:千葉明 2017年8月21日
エリア: 日本
今年5月、突然辞任した小山田隆・三菱東京UFJ銀行頭取(右)に代わって急きょ再登板した全銀協の平野会長(左)は、銀行への「総量規制」を断固として受け付けない構えだ(C)時事

 

 最高裁判所は毎年、全国の地方裁判所が取り扱った自己破産件数を『司法統計年報』の中で公表している。それによると、個人の自己破産件数は、2003年(24万2377件)をピークに減少傾向を辿っていた。それが昨2016年、俄かに反転。前の2015年に比べ、687件増の6万4531件に増加した。

 増加に転じた大きな要因として槍玉にあげられているのが、銀行のカードローンである。かつて「サラ金」と呼ばれていた消費者金融からの複数の借り入れによって返済が困難になる、いわゆる「多重債務」による自己破産が社会問題化した。その消費者金融の貸し出しに「年収の3分の1以内」という「総量規制」が課せられたことなどで、冒頭の通り、自己破産者の減少につながった。それが増加に転じたのは銀行カードローンによる貸し出しが増えたからではないか、ならば銀行カードローンにも消費者金融同様の総量規制を課すべきだ――。目下、そうした指摘が急増している。

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執筆者プロフィール
千葉明 経済ジャーナリスト。1949年、群馬県生まれ。明治大学政経学部卒業後、73年日本短波放送(現日経ラジオ社)に入社し、主に証券業界を担当。76年、経済評論家・亀岡大郎氏に師事し、82年に独立。金融、企業経営を中心に取材執筆。主な著書に『野村證券 企業部』(かんき出版)、『第一生命 有価証券部』(同)、『ザ・ノンバンク』(実業之日本社)、『生保・損保(2015年版)』(監修、産学社)、『盛田昭夫とソニー生命』(電子書籍)、『日本人が知らない「円」の謎』(同)など多数。
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