MRIC通信 (8)

マドリッド「内視鏡治療講習会」体験記

執筆者:医療ガバナンス学会 2017年10月27日
タグ: スペイン 日本
エリア: ヨーロッパ アジア
スペインの医師に指導をする講師の前田医師。手術台には麻酔で眠らせた豚が(筆者提供、以下同)

 

【筆者:齋藤宏章・仙台厚生病院消化器センター消化器内科研修医】

 私は今年の4月から宮城県仙台厚生病院消化器内科に後期研修医として勤務している。スペイン・マドリッドの大学病院で行われた内視鏡治療の講習会を見学するという貴重な経験をしたため、報告したい。

 私の勤めている仙台厚生病院の消化器内科は食道、胃、十二指腸、大腸の早期のがん病変を胃カメラや大腸カメラなどを用いて内視鏡的に切除する、「内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)」治療を盛んに行っている。ESDとは、通電する小さなナイフなど様々な道具を用いて、消化管の表面にできた腫瘍をはぎとる治療法である。外科的な手術に比べて侵襲が少なく、術後に生活に与える影響も小さく、早期のがんの治療には非常に有効だ。当院では、この治療を行える医師が複数人在籍しているが、そのうちの1人である前田有紀医師が、10月2日、3日にスペインのマドリッドで行われた「International ESD Live Madrid 2017」に講師として招待された。私は日頃から、前田医師に指導を受けている。指導医が海外で治療を行うという貴重な機会であり、私も同行させていただいた。

カテゴリ: 医療・サイエンス
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