「人手不足」と外国人
「人手不足」と外国人(17)

「騙し」と「搾取」で成り立つ「技能実習制度」の恥ずべき実態

出井康博
元日の夜、新宿発の高速バスで高知へと戻っていくディムさん。その後、失意のままベトナムに帰国することになった(筆者撮影)

 

 日本屈指の繁華街・新宿「歌舞伎町」脇にある花園神社――。穏やかに晴れ渡った元日の午後、大勢の参拝者に混じって小柄なベトナム人女性が手を合わせていた。外国人技能実習生のディムさん(22歳)である。

 2015年6月、高知県内のトマト農園で働くため来日した彼女にとって、日本で迎える3度目の正月だ。実習生は最長3年間(今後は5年間)、日本で就労できる。彼女には今年6月まで働く資格はあるが、実習先でトラブルが起き、就労期限を前にベトナムへと帰国することになった。帰国は10日後の1月10日に迫っている。その前に、ベトナムにいた頃から憧れていた東京を初めて訪れていた。

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執筆者プロフィール
出井康博 1965年岡山県生れ。早稲田大学政治経済学部卒。英字紙『THE NIKKEI WEEKLY』記者を経てフリージャーナリストに。月刊誌、週刊誌などで旺盛な執筆活動を行なう。主著に、政界の一大勢力となったグループの本質に迫った『松下政経塾とは何か』(新潮新書)、『年金夫婦の海外移住』(小学館)、『黒人に最も愛され、FBIに最も恐れられた日本人』(講談社+α文庫)、本誌連載に大幅加筆した『長寿大国の虚構 外国人介護士の現場を追う』(新潮社)、『民主党代議士の作られ方』(新潮新書)、『襤褸(らんる)の旗 松下政経塾の研究』(飛鳥新社)。最新刊は『ルポ ニッポン絶望工場』(講談社+α新書)。
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