「新型コロナ」で明暗分かれた隣国「ジョージア」「アルメニア」の違い

執筆者:前田弘毅 2020年7月14日
タグ: 新型コロナ
エリア: ヨーロッパ
ジョージア・アルメニア国境付近には世界遺産にも選ばれている古刹が多数存在する(筆者提供)

 

 イランにおけるジョージア人コミュニティを探訪した『ジョージアから「連れ去られた人々」を追って――イラン・フーゼスターン紀行』(全4回)と『ジョージア・ワイン・ルネッサンス』(全6回)について記している間に、ジョージア国内について記す機会を失っていた。

 もっとも、イランにおける共同体の存在も、アメリカ人によるクヴェヴリワイン(甕で醸造するジョージアの伝統的ワイン)の「伝道」も、ジョージアという国の「汎ユーラシア的」性格を物語る。別の言い方をすれば、ジョージアおよびコーカサス(カフカス)は優れて、ユーラシア地政学と文化の隠れた指標となるのである。

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執筆者プロフィール
前田弘毅(まえだひろき) 東京都立大学人文社会学部教授。プリンストン大学近東学部客研究員。1971年、東京生まれ。東京大学文学部東洋史学科卒業、同大学大学院人文社会系研究科博士課程修了、博士(文学)。大学院在籍中にグルジア科学アカデミー東洋学研究所に留学。北海道大学講師・客員准教授、大阪大学特任助教・招へい准教授、首都大学東京都市教養学部准教授などを経て、2018年より現職。著書に『多様性と可能性のコーカサス』(編著、北海道大学出版会)、『ユーラシア世界1』(共著、東京大学出版会)、『黒海の歴史』(監訳)『コーカサスを知るための60章』(編著)『イスラーム世界の奴隷軍人とその実像』(ともに明石書店)、『グルジア現代史』(東洋書店)など。ブログはこちら【https://www.hmaeda-tmu.com/】。
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