いまでも「三位バラバラ」総務省の悲しきウラ人事体系

執筆者: 2004年9月号
タグ: 日本
エリア: アジア

「幹事社からは特に質問はありません。質問があれば各社お願いします」 七月二十六日午後、総務省の香山充弘事務次官の定例記者会見は呆気なく終了した。記者から一切質問が飛ばない「ノークエスチョン・ノーアンサー」の会見は前代未聞。日本郵政公社の民営化後の会社形態論や業務範囲を巡り、報道各社の取材合戦が過熱しているにも拘らず、担当官庁のトップは“蚊帳の外”に置かれていた。 総務省は二〇〇一年の省庁再編で、旧自治省、旧郵政省、旧総務庁が「三位一体」化され、発足した。このため、事務次官も二省一庁の持ち回り。初代次官は旧自治省の嶋津昭氏、二代目は旧郵政省の金澤薫氏、三代目は旧総務庁の西村正紀氏が務めた。現次官の香山氏は旧自治省出身で「地方行政の専門家」。冒頭の会見では、記者側も「香山さんに郵政民営化の突っ込んだ質問をしても仕方ない」と取材を“自粛”していた。

カテゴリ: 政治 経済・ビジネス
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