福島では今、県外から来た専門家の応援部隊が様々な場所で地道な活動を始めている。その事実はあまり知られていないが、彼らはきわめて重要な役割を担っている。東京電力支配下で温存されてきた村落共同体的社会の閉鎖性、前近代性との闘いである。汚染され、空洞化しつつある旧来の共同体に代わり、福島の未来を構築する―――。高度な専門性に加え、科学的、合理的知見と、被災した住民の生活をまるごと引き受ける人間性が求められる、壮大な闘いである。
日本弁護士連合会が司法過疎地の解消をめざして全国に展開している「ひまわり基金法律事務所」。福島県相馬市の同事務所に単身赴任して所長を務める平岡路子弁護士は言う。
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