売り上げ規模で、世界のエレクトロニクス業界のトップに立つ韓国のサムスン電子の業績が急降下している。世界シェアトップのスマートフォン・携帯電話の売れ行きが一転、不振に陥り、液晶テレビや半導体などほかの主力事業もそろって減速している。原因は新興国景気の落ち込みなど外部環境ではなく、サムスンに内在している。自らは何も新しい商品、技術を生み出さず、他社の後追い、模倣と他社を圧倒する大規模な量産に徹し、莫大な販売経費をかけることで力づくで、世界の頂点に駆け上ったいびつな構造である。サムスン電子の失速はこれから本格化するだろう。

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