東京電力首脳の「解任説」が霞が関や永田町で飛び交っている。年明け早々に会長の數土文夫(74)が「病気」を理由に辞任し、後任に社外取締役(LIXILグループ社長)の藤森義明(63)が昇格するとの一部報道があったが、數土本人が記者団の前で即座に否定。立ち消えになったかと思いきや、2月末に汚染水の外洋流出が明らかになると、今度は社長の広瀬直己(62)の「引責辞任」が取り沙汰されるようになった。昨年4月に発足した數土―広瀬体制は収益改善で成果を挙げ、福島第1原子力発電所の事故以来地に落ちていた経営陣の求心力を取り戻しつつあるようにも見えた。だが、3年前の国有化(原子力損害賠償・廃炉等支援機構の約50%出資)で同社の支配権を握った政府は、この數土―広瀬コンビがどうも気に入らないらしい。
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