「人材開国」実現のための実践的処方箋

『フォーサイト』が創刊された一九九〇年、日本国内の外国人登録者数は初めて百万人を突破した。それから二十年、その数は二倍以上(二〇〇八年末現在で約二百二十万人)に増えている。日本に出稼ぎに来る外国人が急増したからだ。 グローバル化が進むなか、日本に暮らす外国人が増えることは自然の流れなのだろう。ただし問題は、政府が明確な方針を持たないまま場当たり的に外国人労働者の受け入れを続けてきたことだ。 まず九〇年、新しい出入国管理及び難民認定法(入管法)が施行され、日系人の就労や定住が可能になった。政府は当時、バブル期に急増した不法就労者の一掃を進めていた。彼らの中には日本人が敬遠するきつい仕事に就き、社会を底辺で支える単純労働者も少なくなかった。不法就労者に代わる外国人労働者が必要だったが、単純労働者の受け入れは法律で認められていない。そこで日本にルーツを持つ日系人に着目し、国家として「裏口入国」を認めたのだ。

カテゴリ: 政治
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
この記事をSNSにシェアする
執筆者プロフィール
出井康博 1965年、岡山県生れ。ジャーナリスト。早稲田大学政治経済学部卒。英字紙『日経ウィークリー』記者、米国黒人問題専門のシンクタンク「政治経済研究ジョイント・センター」(ワシントンDC)を経てフリーに。著書に、本サイト連載を大幅加筆した『ルポ ニッポン絶望工場」(講談社+α新書)、『長寿大国の虚構 外国人介護士の現場を追う』(新潮社)、『松下政経塾とは何か』(新潮新書)など。最新刊は『移民クライシス 偽装留学生、奴隷労働の最前線』(角川新書)
キャリア決済のお申し込み
フォーサイトのお申し込み
クローズアップ
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top