ITを活用して仕事のやり方や仕組みを変える試みが続いている。生産現場だけでなく、“文系”の営業現場などでも、電子メールや掲示板を活用して情報を共有したり、作業手順を標準化しようとしている。そうした仕組みのベースになっているのが、八〇年代初頭に提案されたCALSである。 CALSとは不思議な言葉で、当初はComputer Aided Logistic Supportの頭文字をとったものだったが、時代と共に様々な言葉が当てられ、意味を変えてきた。しかし、その根底にある考え方は、「コンピュータオンラインによる資材調達・設計・製造」である。一つの仕事に関わるあらゆるデータを電子化することで、関係者が仕事のスタートから終わりまでの全過程を共有できるようにするものだ。設計者が設計するのに併せて資材担当者は調達を始め、製造部門は設計完了時にすぐに製造に取りかかれるようにライン変更などを進める。一つの仕事が終わって次に渡すのではなく、関係者が併走しながら製品を生み出す。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン