規制緩和の重要性は論を俟たないが、大切なのは、自由競争の促進だ。そのためには、時に規制緩和も必要だ。 遂に、日本に待望久しい首相が誕生した。公的規制の軽減と自由競争の促進へ向けて断固たる決意を有し、なおかつそれを実現するだけの決断力と指導力とを備えた首相の登場だ。 だが、以前にもこれと同じ場面を目にしたことはなかったか? 中曾根康弘に細川護熙、そして橋本龍太郎も異口同音に市場開放を唱え、日本を変えてみせると宣言したはずだ。 近年を振り返ってみると、中曾根は確たる信念を持ち、人心掌握の術に長けた、恐らくは最も力のある首相だっただろう。しかも、新保守改革を進める彼に、時代はマーガレット・サッチャーとロナルド・レーガンというまたとない援軍を与えた。
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