二〇〇〇年夏から二〇〇一年初めにかけて行なわれたイスラエルとパレスチナとの中東和平交渉に関し、いくつかの「神話」が生まれた。一つはイスラエル首相バラクが大幅に譲歩したのに、PLO(パレスチナ解放機構)議長アラファトがそれを頑なに拒否したという話だ。もう一つは、「解のない方程式」エルサレム問題をめぐる対立で交渉は行き詰まり、失敗したという見方だ。 前者は二〇〇〇年七月に行なわれた首脳交渉が不首尾に終わった後、イスラエルと米国が盛んに流した噂だ。その後、イスラエルや仲介役の米大統領クリントンにもかなり問題があったことが検証されている。

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