インテリジェンス・ナウ

東シナ海で米中の無人機がスパイ戦へ――「実効支配」の裏をかく中国情報工作

執筆者:春名幹男 2013年10月18日
エリア: 北米 アジア
 9月9日、尖閣諸島沖を飛行した無人機とみられる航空機[防衛省統合幕僚監部提供](C)時事
9月9日、尖閣諸島沖を飛行した無人機とみられる航空機[防衛省統合幕僚監部提供](C)時事

 突然のことだった。ことし9月9日、航空自衛隊のレーダーが尖閣諸島の沖合で航空機を感知、空自のF15戦闘機が緊急発進(スクランブル)し、操縦席のない異様な機体を発見、写真撮影したところ、しばらくして中国本土に向けて飛び去った。

 防衛省統合幕僚監部はその事実を発表したが、東シナ海に姿を現した中国軍の無人機を確認したのは初めてのことだった。

 中国国防省は同日「中国軍はこのほど東シナ海で定例の訓練を実施した」と誇らしげに発表、事実上無人機の飛行を認めた。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
春名幹男(はるなみきお) 1946年京都市生れ。国際アナリスト、NPO法人インテリジェンス研究所理事。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授、早稲田大学客員教授を歴任。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『米中冷戦と日本』(PHP)、『仮面の日米同盟』(文春新書)などがある。
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