ロシアのメドベージェフ首相が8月22日北方領土の択捉島を訪問し、領土問題で日本に譲歩する余地が一切ないことを強調した。日本側は岸田文雄外相の訪露延期を決め、年末のプーチン大統領訪日は困難となった。択捉訪問は、戦勝70周年やウクライナ危機に伴う孤立から、民族愛国主義の発揚が狙いだろうが、対日関係への配慮は一切みられなかった。原油価格下落でロシア経済は一段と悪化。国際的孤立も深まっており、頼みの中国も国内経済対策に躍起だ。日本は来年のG7議長国であり、G7の行動に影響力を持つ。この時期に反日外交に舵を切るのは尋常ではない。

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