1月6日の「水爆実験」と称する核実験に対する国連安保理による追加制裁が定まっていない中、2月7日に北朝鮮は衛星を搭載した新たなロケットの打ち上げを実行した。2006年から連綿と続く安保理の北朝鮮制裁決議では「弾道ミサイル技術を用いた活動」は全てミサイル活動に含まれており、今回の「衛星の打ち上げ」も弾道ミサイル技術を用いているため、明らかな安保理決議違反である。
国際社会――とりわけ米中の間――で、北朝鮮への追加制裁に合意できない状況が続く中、北朝鮮の暴挙は留まるところを知らない。かつての金正日体制であれば、少なくとも中長期的には、核開発やロケットの打ち上げを「手段」として、米国との直接協議や六者会合での交渉を優位に進めるという「目標」があるように見えた。しかし、現在の金正恩体制では、そうした方向性が見えてこない。それだけに国際社会は北朝鮮とどのように向き合ってよいのかが分からなくなっている状態にある。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン