「アベノミクスを最大限ふかす」という安倍晋三首相(62)の掛け声とともに、8月2日に閣議決定された事業規模28兆円を上回る経済対策。その目玉の1つとなったリニア中央新幹線への3兆円の財政投融資(財投)による全線開業前倒し(2045年→37年)について、様々な疑問が噴出している。そもそも喫緊のデフレ脱却を謳うアベノミクスにとって20年以上先のリニア全線開業を前倒しする意味合いが理解不能なうえ、事業主体のJR東海にとっても、超低金利下での財投による資金コスト削減効果は極めて限定的。一方で、2年前に着工したリニア建設は随所で綻びが顕在化し、公約だった東京・品川~名古屋間の2027年開業予定が怪しくなっている。要するに、「視界不良になりつつあるリニア計画の信用補完として財投が利用された」(外資系証券の鉄道担当アナリスト)のかもしれない。
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