コロナ水際対策に切り札、「ワクチンパスポート」国際規格を握った期待のベンチャー

執筆者:大堀達也 2021年11月29日
世界共通のワクチンパスポートは水際対策に不可欠な要素(日本入国のため検疫施設で手続きを待つ人たち=成田空港)  ©︎時事
デジタル通貨のセキュリティー技術をワクチンパスポートに応用――。今年8月、日本のベンチャー企業「GVE」が提案した規格が、電気通信分野の世界的な規格化団体から承認された。この団体をグーグルなどと共にリードするGVEは、「Suica(スイカ)」にも使われるNFC規格「フェリカ」の開発者として著名な日下部進氏をセキュリティー技術のアドバイザーに据えている。

   とある日本のベンチャー企業が、世界標準規格を握ろうとしていることをご存知だろうか。それが世界の往来に必須となる「ワクチンパスポート」のデジタル規格だとすれば、その規模感は計り知れない。途方もないビッグディールを目前としているその企業とは、いったい何者なのか。

デジタル通貨開発からワクチンパスポートへの「必然」

   そのベンチャーとはフィンテック分野のスタートアップ企業のGVE(登記上の本社は東京都中央区)。スイスに本社を置く大手銀行UBSグループでマネジャーを務めた元金融マンの房広治(ふさ・こうじ)氏を中心に設立された。

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カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
大堀達也(おおほりたつや) 『週刊エコノミスト』編集デスク。1974年福島県生まれ。時事通信社『世界週報』編集部などを経て、2012年4月毎日新聞『週刊エコノミスト』編集者。15年4月毎日新聞出版に転籍、19年4月より現職。
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