経済安全保障と経済制裁:新たな国際経済秩序の「表裏一体の盾と矛」

執筆者:鈴木一人 2022年5月16日
最大の課題は自由貿易の原則や経済活動の自由とのバランス(参院本会議で経済安全保障推進法案の趣旨説明を行う小林鷹之経済安全保障担当相=4月13日) (C)時事
5月11日に成立した経済安全保障推進法は、日本が新しい時代の国際経済秩序に参画するうえで不可欠な道具立てだ。その本質と「四つの柱」、そしてまさにいまロシアに対し実行されている「経済制裁」との関係性を捉えておく必要がある。

 2022年4月7日に衆議院を通過した経済安全保障&_catecode%5B%5D=info&_catecode%5B%5D=update&fulltext_detail=&author_detail=&tag_detail=&area_detail=&category_detail=&startdate_detail=&enddate_detail=" target="_blank">経済安全保障推進法案は、5月11日に参議院で可決された。衆議院では、経済安全保障の定義がなされていない、具体的な規制は政令で定めることになっており、明確な規制になっていない、といった批判を受けつつも、立憲民主党を含む野党の支持を得て通過した。

   与野党とも経済安全保障の概念を受け入れ、その必要性を認識しているが、果たして、この経済安全保障が、今後の世界をどのように変えていくのか、また、同時に進行しているロシアのウクライナ侵攻に対する経済制裁とどのような関係にあるのか、十分に議論が尽くされたとは言いがたい。

カテゴリ: 政治 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
鈴木一人 すずき・かずと 東京大学公共政策大学院教授。1970年生まれ。1995年立命館大学修士課程修了、2000年英国サセックス大学院博士課程修了。筑波大学助教授、北海道大学公共政策大学院教授を経て、2020年より現職。2013年12月から2015年7月まで国連安保理イラン制裁専門家パネルメンバーとして勤務。著書にPolicy Logics and Institutions of European Space Collaboration (Ashgate)、『宇宙開発と国際政治』(岩波書店、2012年サントリー学芸賞)、『EUの規制力』(日本経済評論社、共編)、『技術・環境・エネルギーの連動リスク』(岩波書店、編者)などがある。
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