中国政府が自動車業界の再編に本格的に乗り出した。中国の今年の新車販売台数は一千万台を突破する見込みで、金融危機により低迷する米国を抜いて世界最大の市場となる可能性が高まっている。ただ、中国では百社以上のメーカーが乱立し過当競争の懸念も強まっているため、政府は海外メーカーとの合弁生産により経営体力をつけた大手を軸に再編を進める計画だ。 中国政府がこれまでに打ち出した再編案は、生産が二百万台以上の最大手二―三社、百万台以上の大手四―五社を軸に経営統合などを進めるという内容。 具体的には、トヨタ自動車やドイツのフォルクスワーゲン(VW)と合弁で生産する第一汽車、ホンダや日産自動車と提携する東風汽車、米ゼネラル・モーターズ(GM)やVWと提携する上海汽車、マツダや米フォード・モーターと提携する長安汽車の四社を軸に全国規模の吸収合併が進む見通し。

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