
米カリフォルニア州サンフランシスコのX本社[2023年7月30日]
[ロイター発]ロイターが確認した電子メールによると、ツイッター(当時)は今年2月、毎月1000万件の投稿データにアクセスできるアプリケーションプログラミング・インターフェース(API)への学術的な無料アクセスを終了すると通知した。これはソーシャルメディア研究者にとって最も重要なツールだった。
ロイターが外部機関に委託し、アカデミズムや民間の研究者167人を対象に実施した今年9月の調査によれば、この方針変更によって30件のプロジェクトが中止され、47件のプロジェクトが頓挫し、27件のプロジェクトで研究者がプラットフォームを変更した。また継続進行中の47のプロジェクトについても、直近のデータを収集する能力が制限されるとの指摘があった。
影響を受けた研究には、ヘイトスピーチに関する調査や、各国規制当局による情報収集に関するテーマが含まれる。頓挫したプロジェクトの1つは、Xにおける子供の安全性を研究しようとしていた。Xは最近、児童虐待防止に関する調査に協力しなかったとして、オーストラリアの規制当局から罰金を科されている。
今回の調査にも参加したテキサス大学オースティン校のアシスタントプロフェッサーであるジョセフィン・ルキト氏は、「Xを研究する能力が低下したことで、(Xの)ユーザーは、より多くのヘイトスピーチ、誤報、偽情報に対して脆弱になる」と述べている。……

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