
ミナミアメリカハイギョ(学名Lepidosiren paradoxa)。ゲノムの巨大化は、塩基配列の繰り返しを抑制するメカニズムが減少していることと関連しているという[2024年3月18日、アメリカ・ルイジアナ州バトンルージュのルイジアナ州立大学の研究室にて撮影](C)Katherine Seghers, Louisiana State University/REUTERS
[ワシントン発/ロイター]ミナミアメリカハイギョ(学名 Lepidosiren paradoxa)のゲノムを解析した結果、ヒトゲノムの約30倍大きいことが明らかになった。この研究は、8月14日に学術誌「Nature」で発表された。
ゲノムとは、生物が持つすべての遺伝情報のことを指す。ゲノムの大きさは、生物の細胞核内にある塩基対(DNAの主要な構成要素)の数で測った。ミナミアメリカハイギョの細胞に含まれるDNAを糸玉のように伸ばした場合、長さは約60メートルにも及ぶ。対してヒトゲノムでは、2メートルほどにしかならない。
「ミナミアメリカハイギョのゲノムは過去1億年の間に巨大化したことが明らかになった。1000万年ごとに、ヒトゲノム1つ分増大したことになる」とルイジアナ州立大学の進化生物学者で、論文の共著者のイゴール・シュナイダー氏は述べた。同氏によると、ミナミアメリカハイギョの19本の染色体のうち18本は、いずれもヒトゲノム全体よりも多くの塩基対を持つ。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン