選挙制度改革は「0増5減、30削減、連用」が柱

執筆者:野々山英一 2012年2月10日
カテゴリ: 政治
エリア: 日本

 衆院の選挙制度を改革する議論が迷走している。毎週水曜日に行なわれている与野党協議も、進展のめどが見つからないままだ。タイムリミットとして設定された2月25日は、延長必至の情勢だ。
 難解な制度名が飛び交う議論は一見とっつきにくい。だが、行なわれている論争は比較的単純だ。ここでは論争を整理し、最終的な到達点を展望してみたい。

「違憲状態」「自ら身を切る」

 この問題は大きく分けて3段階のステージがある。まず最高裁に「違憲状態」とされた1票の格差の是正。2つ目は消費税率引き上げなどで国民に負担を強いる前に、政治が自ら身を切る改革を行なうべきだという議論。もう1つは、昨今の貧困な政治は小選挙区中心の選挙制度に原因があるという視点から、抜本的制度改革をすべきだという考えだ。
「1票の格差」については、昨年の3月に最高裁判決が出た頃は「解散権は縛られない」という考えが、与野党だけでなく政治学者の間でも支配的だった。だが、次第に「このまま衆院選を行なったら選挙無効の判決が出る可能性が高い」という見方が広がり、最低限の是正が必要という意見が多数派になってきている。これをクリアする方策としては、「小選挙区の0増5減」が決定的だ。影響の出る選挙区が最小限で済むからだ。
 一方、3番目の抜本的な制度改正は「行なわない」のが確実。選挙区の大きさ、定数などを大幅に変える抜本改革は、与野党で合意し、法律をつくり、具体的に選挙区を画定するまでに膨大な時間を要し、さらに一定の周知期間がいる。とてもではないが6月末にも衆院解散の可能性が高まるという今の政治スケジュールには合わない。
 そもそも、政治の劣化を選挙制度のせいにしようという理屈が、有権者に受け入れられるだろうか。試験の成績が悪いからといって問題のせいにするような話なのだから。
 こう考えると議論は、小選挙区を「0増5減」とし、比例代表部分でどこまで議席を減らすかに論点が絞られてくる。そして比例の議席配分で中小政党が有利になるような修正も検討対象となる。

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