先月南アフリカのプラチナ鉱山で大惨事を招いた労働争議の余波が続くなか、10月1日から始まった南アフリカ・トヨタでの山猫ストが先週末終結した。日系企業や製造業部門にとっては一安心だが、おもな金鉱山の操業はいまだに止まったままだ。
南アフリカにおける賃金格差は、「アパルトヘイト時代の負の遺産」としてよく説明される。しかしこの常套句は正確ではない。たしかに、アパルトヘイトのときの人種別賃金とその格差は大きかった。それが制度になっていて、格差をつけなくてはいけなかったという点においては異常だった。だが、南アフリカの賃金格差、所得格差が目に見えてひろがっていったのは、民主化後のことなのである。それも、今世紀に入ってからだ。
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