経済の頭で考えたこと
経済の頭で考えたこと(54)

シェールガス革命に伴う「中東地政学」を整理する

田中直毅
執筆者:田中直毅 2012年12月6日
シェールガス革命で、ホルムズ海峡の地政学的意味が変わる(イラン海軍の演習風景)(C)AFP=時事
シェールガス革命で、ホルムズ海峡の地政学的意味が変わる(イラン海軍の演習風景)(C)AFP=時事

 エネルギー、安全保障、経済復興は、第2次大戦後も一体としてあった。そして米国は、この視点から中東との関係をその都度構築してきたといってよい。しかし米国の関与能力と関心は、21世紀に入ると大きく変化せざるをえなくなった。対イラク戦争はG・W・ブッシュ大統領が、アフガニスタンでの戦争はバラク・オバマ大統領が踏み込んだものだが、いずれも勝利宣言もなく撤兵の手続きに入らざるをえなかった。そしてこの10年間に米国の財政赤字は膨れ上がり、2011年の夏には2013年以降の財政支出について強制没収(sequestration)の手順に入る取り決めを一旦は結ばざるをえないほどの窮状に陥った。財政の崖の回避は第2期に入ったオバマ政権にとっての最初の試練だが、中東への関与能力そのものが揺らいでいることは間違いない。こうした中で、米国の中東への関与関心に大きな影響を与える「衝撃」が生じた。シェールガス革命である。

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執筆者プロフィール
田中直毅 国際公共政策研究センター理事長。1945年生れ。国民経済研究協会主任研究員を経て、84年より本格的に評論活動を始める。専門は国際政治・経済。2007年4月から現職。政府審議会委員を多数歴任。著書に『最後の十年 日本経済の構想』(日本経済新聞社)、『マネーが止まった』(講談社)などがある。
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