民主党リベラルを支えたロールズの「正義論」

会田弘継
執筆者:会田弘継 2006年9月号
カテゴリ: 国際 文化・歴史
エリア: 北米

 十一月に行なわれる米中間選挙まで三カ月を割った。大波乱が予想されている。一九九四年の中間選挙で大勝を収めて以来、ほぼ優勢を保ち続けてきた議会共和党もいよいよ年貢の納め時かという情勢だ。イラクばかりか中東全体を覆う混迷に打つ手もなく支持率低迷のブッシュ大統領に足を引っ張られ、共和党議員たちは苦戦を強いられている。 共和党は民主党に対し上院(百議席)で十一議席、下院(四百三十五議席)で三十議席の大差をつけているが、「きょうが投票日なら、どちらの党の候補に票を投じますか」という世論調査の質問で、民主党に十ポイント以上水をあけられているのが現状だ。個々の選挙区を見ると現職に強みがあり、なかなか世論調査通りというわけにはいかないが、「下院は逆転、上院もことによると」というのが大方の読みだ。 仮に両院とも逆転となれば、九四年の選挙の雪辱となろう。当時、「保守革命」を掲げるニュート・ギングリッチ下院議員率いる議会共和党は歴史的な中間選挙大勝で、医療保険制度の大改革などをねらうクリントン民主党政権のリベラル(進歩派)政治に「待った」をかけた。この後、同政権の進歩派路線は鳴りをひそめた。むしろ福祉政策の見直しへと進み、ついに「大きな政府の時代は終わった」と大統領自ら宣言するほど、保守にすり寄った。

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執筆者プロフィール
会田弘継
会田弘継 青山学院大学地球社会共生学部教授、共同通信客員論説委員。1951年生れ。東京外国語大学英米科卒。共同通信ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長などを歴任。2015年4月より現職。著書に本誌連載をまとめた『追跡・アメリカの思想家たち』(新潮選書)、『戦争を始めるのは誰か』(講談社現代新書)、訳書にフランシス・フクヤマ『アメリカの終わり』(講談社)などがある。
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