「ならず者国家」と連携する「ロシア外交」の閉塞

名越健郎
執筆者:名越健郎 2015年2月4日
エリア: ロシア

  欧米からの孤立を深めるロシアが、北朝鮮、イラン、ベネズエラといった「ならず者国家」(Rogue State)との連携を強めている。ウクライナ危機後、「ロシア自体がならず者国家になりつつある」(アレクサンドル・ゴルツ氏)との見方もロシア国内で出始めた。それだけプーチン政権に外交的選択肢がないことを意味し、ロシア外交の閉塞感や危険度が増している。

 

北朝鮮がイニシアチブ

 ロシアのラブロフ外相が1月21日、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党第1書記が5月9日にモスクワで開く対独戦勝70周年記念式典出席に「前向きな姿勢を示した」と表明したことで、金正恩氏の初外遊がロシアになるとの見方が広がった。金正恩氏が参列すれば、式典の最大の目玉となり、朝露関係の緊密ぶりを示すことになる。

 

 最近訪日したロシアのアレクサンドル・ウォロンツォフ東洋学研究所朝鮮研究部長は、金正恩政権発足後凍結状態にあった両国関係の進展は北朝鮮のイニシアチブだったことを明らかにした。同氏によると、2013年7月、平壌で開催された朝鮮戦争停戦60周年記念式典で行われた「アリラン」のマスゲームで、冒頭「朝露友好は世代を越えて」というスローガンが登場。軍事パレードでは、朝鮮戦争を描いた横断幕に、中朝両軍とともに、ミグ戦闘機に乗るスラブ系パイロットの絵も登場した。従来、旧ソ連軍航空部隊が密かに参戦し、米韓両軍の航空部隊と戦ったことは機密事項だったが、北朝鮮はあえて公表したという。

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執筆者プロフィール
名越健郎
名越健郎 1953年岡山県生れ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長を歴任。2011年、同社退社。現在、拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学東アジア調査研究センター特任教授。著書に『クレムリン秘密文書は語る―闇の日ソ関係史』(中公新書)、『独裁者たちへ!!―ひと口レジスタンス459』(講談社)、『ジョークで読む国際政治』(新潮新書)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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