「すべてが弥縫策」のJAL再生作業

執筆者:吉野源太郎 2009年12月号
エリア: 日本

結論はまたしても先送りされた。選挙至上主義の民主党は、ポピュリズムに陥ることなく、改革を進めることができるのか。 発足して約二カ月。民主党政権は予想されたとおり、自民党時代から引き継いだ数々の“負の遺産”の処理に追われている。日本航空(JAL)の経営破綻処理は、なかでも最も派手な話題だ。 JAL問題には沖縄基地問題や雇用対策などに比べ、やや違った特徴がある。政府がなるべく余計なことをしないのが正しい対処の方法だという点だ。もともとJALの経営破綻は自民党時代の過保護・利権政治の産物である。JAL問題の真の解決には、政治や行政のしがらみからJALを解き放ち、企業の論理に沿って自立させねばならないのだ。 だが、実際の作業はその原則を大きく踏み外して進んでいる。JAL破綻処理が企業再生支援機構に持ち込まれる過程で浮き彫りになるのは民主党が抱える政権政党としての危うさだ。産業政策の不在と企業への介入、ポピュリズムと紙一重の社会政策――。この政党に「日本再生」の道を指し示すことが果たして可能なのか。JAL再生の背後に、日本の将来を左右する深刻なテーマが顔をのぞかせる。「法的整理以外に道はない」「借入金の返済条項の履行の困難性が存在している。継続企業の前提に重大な疑義を生じさせるような状況が存在している」

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執筆者プロフィール
吉野源太郎 ジャーナリスト、日本経済研究センター客員研究員。1943年生れ。東京大学文学部卒。67年日本経済新聞社入社。日経ビジネス副編集長、日経流通新聞編集長、編集局次長などを経て95年より論説委員。2006年3月より現職。デフレ経済の到来や道路公団改革の不充分さなどを的確に予言・指摘してきた。『西武事件』(日本経済新聞社)など著書多数。
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