国務長官はつらいよ

名越健郎
執筆者:名越健郎 2002年11月号
カテゴリ: 国際
エリア: 北米

 ブッシュ米政権が近い将来のイラク攻撃に向け、着々と戦闘準備を進めている。 昨年の同時テロ以後の閉塞状況を、イラク攻撃によって中央突破しようとしているかにみえる。とはいえ、株価下落、財政赤字急増など国内経済低迷の中、巨額の戦費を要するイラク攻撃には多くのリスクがつきまとう。3大ネットワークの夜のトークショーは今、「イラク」の前哨戦で盛り上がっている。 ブッシュ大統領とパウエル国務長官が一杯やりにバーに入った。 バーテンダーが大統領に質問した。「大統領、イラクで一体、何をするつもりですか」「われわれはイラク人1000万人と自転車修理工1人を殺すつもりだ」「なぜ自転車修理工を殺す必要があるのですか」 ブッシュ大統領はパウエル長官に向かって言った。「みろ、わたしの言った通りだ。だれもイラク人を1000万人殺すことなんか気にしていない」 パウエル国務長官がイラクの大量破壊兵器開発について、ブッシュ大統領に報告した。「良いニュースと悪いニュースがあります。悪いニュースは、イラクは核兵器を開発済みです」「良いニュースはなんだ」「核の運搬手段はラクダだけです」 ブッシュ大統領が演説で、イラクを激しく非難した。

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執筆者プロフィール
名越健郎
名越健郎 1953年岡山県生れ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長を歴任。2011年、同社退社。現在、拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学東アジア調査研究センター特任教授。著書に『クレムリン秘密文書は語る―闇の日ソ関係史』(中公新書)、『独裁者たちへ!!―ひと口レジスタンス459』(講談社)、『ジョークで読む国際政治』(新潮新書)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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