ベトナム戦争中の話である。北ベトナムのハノイ、ハイフォンを爆撃(それを北爆と呼んだ)するためにタイ国内の基地を発進した米戦略空軍のB52爆撃機が、誤って1トン爆弾を東北タイの町の小学校に落とした。UPI通信のジャックが「一緒に現地取材に行こう」と電話してきた。私は新聞社のバンコク特派員だった。 朝早く車で出て、現地は東北へ、ほぼ東京-大阪間に等しい距離だった。車はジャックがレンタルし、運転は私がした。 爆弾は泥田の中に深く突き刺さり、大した被害はなかった。さてバンコクに帰ろうとして日が暮れた。私は車のヘッドランプが点灯しないのを発見した。
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