中国が「北朝鮮を守る理由」はなくなりつつある

執筆者:宮本雄二 2017年3月7日
エリア: アジア
中国にとって、北朝鮮を支援する大義は失われつつある。習近平主席の次の手は? (C)AFP=時事

 北朝鮮のことは、本当のところは良く分からない。これまで筆者が担当したことのある中国、米国、ロシア(旧ソ連)、ミャンマーなどは、分析すると自ずと中身が見えてきたものだが、北朝鮮の場合は、それが見えてこないのだ。それだけ情報が限られ、われわれの常識では計り知れない、謎に包まれた国ということなのだろう。北朝鮮が専門の平岩俊司関西学院大学教授は、「北朝鮮が高度の情報統制下にあること、“主体思想”という独特な思想を国家の基本理念としていること」などをその理由に挙げている。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
宮本雄二(みやもとゆうじ) 宮本アジア研究所代表、元駐中国特命全権大使。1946年福岡県生まれ。69年京都大学法学部卒業後、外務省入省。78年国際連合日本政府代表部一等書記官、81年在中華人民共和国日本国大使館一等書記官、83年欧亜局ソヴィエト連邦課首席事務官、85年国際連合局軍縮課長、87年大臣官房外務大臣秘書官。89 年情報調査局企画課長、90年アジア局中国課長、91年英国国際戦略問題研究所(IISS)研究員、92年外務省研修所副所長、94年在アトランタ日本国総領事館総領事。97年在中華人民共和国日本国大使館特命全権公使、2001年軍備管理・科学審議官(大使)、02年在ミャンマー連邦日本国大使館特命全権大使、04年特命全権大使(沖縄担当)、2006年在中華人民共和国日本国大使館特命全権大使。2010年退官。現在、宮本アジア研究所代表、日本アジア共同体文化協力機構(JACCCO)理事長、日中友好会館会長代行。著書に『これから、中国とどう付き合うか』『激変ミャンマーを読み解く』『習近平の中国』『強硬外交を反省する中国』『日中の失敗の本質 新時代の中国との付き合い方』『2035年の中国―習近平路線は生き残るか―』などがある。
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