米原子力「WH問題」で東芝がはまり込んだ底なしの「無間地獄」

執筆者:大西康之 2017年6月20日
タグ: 日本 トランプ
エリア: 北米 アジア
5月15日、2016年度3月期の業績見通しについて発表する綱川智・東芝社長に、明るさは見られない (C)EPA=時事

 

 経営破綻の回避に向けギリギリの対応を続ける東芝。業績悪化の原因となった米原子力子会社「ウエスチングハウス」(WH)が米連邦破産法第11章(チャプター11)の適用を申請したことで、「海外原発事業のリスクは遮断した」(綱川智社長)と同社は主張している。日本では、現在新聞紙面を賑わしている「半導体メモリ事業の売却」が実現すれば「東芝の危機は去る」と見られているようだが、視点を米国に移すと全く違う景色が見えてくる。

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執筆者プロフィール
大西康之(おおにしやすゆき) 経済ジャーナリスト、1965年生まれ。1988年日本経済新聞に入社し、産業部で企業取材を担当。98年、欧州総局(ロンドン)。日本経済新聞編集委員、日経ビジネス編集委員を経て2016年に独立。著書に『GAFAMvs.中国Big4 デジタルキングダムを制するのは誰か?』(文藝春秋)、『起業の天才! 江副浩正 8兆円企業リクルートをつくった男』(東洋経済新報社)、『東芝解体 電機メーカーが消える日』 (講談社現代新書)、『稲盛和夫最後の闘い~JAL再生に賭けた経営者人生』(日本経済新聞社)、『ロケット・ササキ ジョブズが憧れた伝説のエンジニア・佐々木正』(新潮文庫) 、『流山がすごい』(新潮新書)などがある。
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