バイデン「中東訪問」の成果
地域安全保障アーキテクチャの構築へ

執筆者:村上拓哉 2022年7月29日
エリア: 中東 北米
GCCプラス3首脳会合に出席したバイデン大統領(C)AFP=時事
 
 
「成果なし」との批判を浴びたバイデン大統領の中東訪問だが、地域諸国との防衛協力の再開に向けた環境整備という目的は果たされた。将来的な「防空」「海洋安全保障」での協力枠組みの骨格とは。

 7月13日から16日に行われたジョー・バイデン米大統領による中東諸国への訪問は、米国メディアからの格好の批判の的となった。バイデンはカショギ氏殺害事件を巡る問題を巡り対話を拒否していたサウジアラビアのムハンマド(MbS)皇太子との会談に踏み切ったにもかかわらず、原油増産の確約やサウジアラビアとイスラエルの関係正常化、果てはイランに対する中東防空同盟の構築等、事前に期待されていた成果を明確なかたちで挙げることができなかった。

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執筆者プロフィール
村上拓哉(むらかみたくや) 中東戦略研究所シニアフェロー。2016年桜美林大学大学院国際学研究科博士後期課程満期退学。在オマーン大使館専門調査員、中東調査会研究員、三菱商事シニアリサーチアナリストなどを経て、2022年より現職。専門は湾岸地域の安全保障・国際関係論。
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