小泉政権三年二カ月の間に、日本政治の何が変わったのか。それは、主要な政策が決まるプロセスそのものだ。「春は名のみの……」という歌の文句がぴったりする風の冷たい夜だった。三年前の三月、東京・赤坂の小料理屋の四畳半ほどの小上がり。私の目の前には日頃蒼白な顔を酒でほんのり赤く染めた小泉純一郎がいた。周りには数人の自民党森派の政治家。空になった徳利が何本か横になっていたが、誰一人酔っていない。みな引きつったような表情で、さながら出陣前の天幕の中もかくや、という風情であった。「しばらくだね」「どうも。今日はまた何ですか」
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