靖国参拝問題は、現在の日中両国の指導者の認識が劇的に変わらないかぎり、解決は大変難しい。その理由を簡単なゲーム理論の応用で考えてみたい。この種の議論になじみのない読者には申し訳ないのだが、ゆっくり考えていただければ、きっとお分かりいただけると思う。 まず小泉首相にとっては二つの選択がある。第一は、参拝を継続することであり(参拝継続)、第二は、参拝をやめることである(参拝中止)。これに対して中国側の選択も二つと考えることができる。第一は日本批判を継続することであり(批判継続)、第二は日本批判をやめることである(批判中止)。このように日中双方がそれぞれ二つの選択を持っているので、結果は四通りだ。

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