11月21日の日露首脳会談は、プーチン大統領が北方領土問題で一歩も譲らず、強硬姿勢が目立った。 その伏線は、5月の対独戦勝記念式典後の記者会見で垣間見えた。大統領は、バルト3国のラトビアがロシアの実効支配地域を「固有の領土」として要求したことに、「領土の代わりに死んだロバの耳をくれてやる」と罵った。 さらに「固有の領土というなら、クリミア(ウクライナ)やクライペダ(リトアニア)を返してくれ」と発言。ソ連解体で失ったロシアの「固有の領土」に言及し、「固有の領土論」が通用しないことを指摘した。ソ連のバルト3国併合批判には、3国を「大国間取引の小銭だ」と言い放った。

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