六月下旬、台湾の最大野党・国民党の党大会で、蕭萬長・元行政院長が来年三月の総統選挙の副総統候補に選ばれた。総統候補の馬英九氏は地元の食品最大手、統一企業の林蒼生総裁を軸に経済界から人選していたが、軒並み断られたようだ。 蕭氏は二〇〇〇年までの国民党政権下で、経済部長(経済相)、経済建設委員会主任委員(経済企画庁長官)を歴任した経済政策通。外省人(中国大陸出身者)の馬氏が、十一歳も年上の大先輩に白羽の矢を立てた理由は、蕭氏が与党・民進党の支持層である本省人(台湾出身者)の有力者だから、だけではない。

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