外交の世界を見ていると、その国の国技が何かが分かる。 中国の胡錦濤国家主席が訪日した時は、早稲田大学で福原愛と卓球をプレーした。 米中間の国交正常化への第一歩となった一九七一年の「ピンポン外交」をはじめ、外交の世界で卓球が好まれるのは、スポーツでありながら身体的接触がなく、しかもお互いが協力してラリーを続けるという「友好関係」を演出しやすいからだ。 このように中国が卓球を外交カードとして使えるのは、中国の卓球界が世界の中で圧倒的な強さを誇っているからである。 しかし友好に用いられる舞台裏には、激しい選抜システムがあることを忘れてはならない。

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