日本のアフリカ支援の原点にして最高峰、服部正也のこと

執筆者:平野克己 2010年12月5日
タグ: 日銀 日本
エリア: アフリカ

 日本人によるアフリカ開発支援は、その出発点において最高の人材をもった。1965年から71年までルワンダ中央銀行の総裁を務めた服部正也のことである。
 服部は1918年生まれ。東京帝国大学法学部を卒業したあと海軍入りし、復員後日銀に入行。IMFに出向してルワンダに派遣された。幼少時をロンドンと上海で過ごし、日銀時代にはミネソタ大学で学び、パリ駐在も経験した、国際経験豊かな大正人であった。ルワンダから帰国後は世界銀行の副総裁にまで昇りつめ、1999年に81歳で亡くなった。
 服部正也については以前本誌に書いたことがある。今回紹介したいのは服部の援助論である。

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執筆者プロフィール
平野克己(ひらのかつみ) 1956年生れ。早稲田大学政治経済学部卒、同大学院経済研究科修了。スーダンで地域研究を開始し、外務省専門調査員(在ジンバブエ大使館)、笹川平和財団プログラムオフィサーを経てアジア経済研究所に入所。在ヨハネスブルク海外調査員(ウィットウォータースランド大学客員研究員)、JETRO(日本貿易振興機構)ヨハネスブルクセンター所長、地域研究センター長などを経て、2015年から理事。『経済大陸アフリカ:資源、食糧問題から開発政策まで』 (中公新書)のほか、『アフリカ問題――開発と援助の世界史』(日本評論社)、『南アフリカの衝撃』(日本経済新聞出版社)など著書多数。2011年、同志社大学より博士号(グローバル社会研究)。
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